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光と音はどう認識される?

太陽の光すなわち自然光は、人の目には「白色」に見えます。
しかし光をガラスで出来た三角柱のプリズムを通してみると、いろいろな色の帯が現れます。
「赤橙黄緑青藍紫」の帯、光のスペクトラム(連続体、分布範囲)です。
光は色によってその波長が違うため、プリズムを通るとき、波長に応じて異なる屈折率によって、光が分けられて7色の帯になるのです。
spectram2.jpg

図上はその光のスペクトラムで、図下はいわゆる「光の三原色」と、その三原色を混じり合わせた、いくつかの色を示しています。さらに三原色の配分や明度、彩度を変えて混合すれば、人が認識するすべての色を作り出せます。「RGBカラー」では、Red、Green、Blueのそれぞれ256通りの色調で、色や濃淡を連続した階調で表現することができます。256階調あれば、人の目は隣どうしの色や明暗が区別できず、滑らかなグラデーションになります。

光は図のように、およそ380~780nmの波長をもつ電磁波です。
では光の三原色で、すべての色を作ることができるということは、赤緑青の3つの電磁波で、すべての色に相当する電磁波を作るということなのでしょうか?でもスペクトラムに無い色は、どの波長の電磁波?というより、何でスペクトラムには、7色しかないの?

実は三原色は、人の目の視覚細胞と大きな関係があるのです。
視覚細胞には「赤、緑、青のそれぞれの光を感じ取る3つのセンサー」があって、それぞれのセンサーが受け取った光の量が脳細胞に伝達されて、3種がミックスされて、「色」として組み立てられるのです。つまり光の三原色とは、人の3色の視センサーが基準になっているのです。

スペクトラムの7色も、電磁波に7つの色があるのではなく、人の3色の視センサーがそれぞれ感じ取った電磁波を、脳がミックスして、7つの色に大別して認識しているということになるわけです。
例えば、黄色は580nm~595nmほどの波長の電磁波ですが、緑と赤の電磁波が混ざった光線でも、同じ黄色になって、両者を人の眼は区別できません。
また青色と赤色が混ざると、「ピンク色」という(それに相当する波長の電磁波は無い)色になります。
ピンク色とは脳内でミックスされた心理的なもので、桃色光線というものは存在しないのです。

色とは「脳が光を認識する手段」なのですね。色は「物理的な量」というよりも「心理的な量」ということができるのです。「光に色はない」ということを、最初にプリズムで光のスペクトラムの実験をした、かのアイザック・ニュートンが言っています。

次に音の場合はどうやって認識されるのかということです。
大抵は「空気の振動である音を、鼓膜が捉えて認識する」ということで済ましていますが、実際は遥かに複雑な仕組みなので、そこをちょっと...
鼓膜(中耳)の振動は増幅されて、蝸牛(かぎゅう)という器官(内耳)に送られ、蝸牛内にあるリンパ液を振動させます。そしてリンパ液に含まれるカリウムイオンが流れ、電流が発生します。
この電気信号が神経を通して脳に伝わり、音を認識するという仕組みです。
ということは、脳に伝えられた交流信号が、脳で振動しているということ? まさか! 
電気振動を色と同じように、心理的量に代えている訳ですが、考えてみるとこれも不思議です。

医療で、人工内耳というのがあって、聴覚障害に用いられますが、その仕組みがわかると、聴覚の理解の助けになります。
人工内耳は補聴器に似ていますが、補聴器は増幅した音(空気振動)を、そのまま鼓膜に送っているのに対して、人工内耳はマイクロフォンが捉えた音声を、音声分析装置で電気信号に変換し、そして蝸牛に埋め込んだ(インプラント)電極へ送り、電極が聴覚神経を刺激します。
蝸牛はその部位による周波数特異性をもっています。つまり反応する周波数が分かれています。
したがって蝸牛内の音域の割り当てに対応して、複数個の電極を埋め込みます。
そして音声分析装置の中のプロセッサーが、どの電極をどの程度刺激するかを決めます。

音声の周波数分析を時間的に連続して行い、強さ、周波数、時間 の三次元で表示することを、スペクトルグラム(Spectrogram)と呼びますが、これで見ると(特にあ行の母音では)、特定周波数に、はっきりとしたピークが得られます。この特徴的なピークが、音声毎に異なるために区別ができるわけです。その特徴を捉えて電気信号に変換する行程を、音声処理(コード化)法といいます。
スペクトルピークというコード化法では、音声スペクトルグラムを、そのまま電極での刺激の場所と強さに変換します。
下図はスペクトラムグラムの時間軸を省いて表示した図ですが、黒色の部分がピークにあたります。

peak1.jpg

人工内耳は蝸牛本来の信号は得られませんが、個人差はあるものの、一般的にかなりの程度で言葉を聞き取ることができるようになるといいます。
そしてこのような人工内耳の仕組みと同じことを、人の耳(特に内耳)が行っていると考えると、内耳は音声分析装置の機能を持っているということですね。

このようにして、蝸牛の各部位に送られた電流が聴神経と脳に伝えられて、音に相当する何らかの心理的量に変えられているのですが、この部分は色の認識と同様に、まだよく解明されていない、未知の領域なのです。
もとの空気振動を聴神経や脳によって、補完、補正や創造(想像)、フィルターなどなど様々な作業を行って、音として組み立てているのです。この音の認識(組み立て)は、色の認識と同じように高度でかつ、見方によっては、随分と大胆(アバウト?)な脳の作業なのです。

人工内耳と同じように、視覚障害のために、人工網膜というものがあります。
人の網膜には視細胞が縦横の格子状に並んでいますが、人工網膜はデジカメのように、受光素子が縦横に並んでいて、機能しなくなった視細胞の代わりを務めます。
受光素子は、マイクロチップ化されていて、眼の網膜に埋め込まれます。
そしてこれが光を電気信号に変え、信号は視神経に送られ、そこで「光」として認識されます。
現在の段階では、光の明暗が、「モノクロで縦横何ドット」というレベルで認識されますが、それでも大きな文字などは読めるようになります。電光掲示板のような具合ということです。
将来は画素数も広がり、また「色」も認識できるようになるのでしょう。


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