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AIで経済を解明できる?

「グローバリゼーションがもたらす自由貿易は良いこと」の経済学的根拠となっているのは一つは、リカードという昔の経済学者が唱えた「比較優位」説です。
2つの国A、B国が、それぞれ1、2の2種の製品を生産していたとします。
A国では2より1の生産が効率的で、B国では1より2の生産が効率的であった場合、たとえA国が1、2のどちらも、B国より効率的であったとしても、A国は1の生産に特化し、B国では2の生産に特化し、それぞれを貿易により交換したほうが、両方の国ともに多くの製品を生産できるという、まさしく自由貿易のバイブルのような数学計算です。
経済理論の中でも、特にシンプルかつエレガント?な理論で、かつそのもたらすところが、互恵的で、WIN-WINであるため、今日に至るまで経済学者のお気に入りなものでもあります。
でもまあ、こんな机上の計算でのたとえ話みたいな説に、そんなにうまく行く話はないぞ、と疑うのが客観的で科学的な態度ではないかと思います。

ではもう一つ、「完全競争市場では消費者にとっての効用と供給者にとっての利益が最大になるような価格・量で均衡する」という均衡理論に基づいて、「自由競争市場の拡大は良いこと」という理屈はどうでしょうか。
このいわゆる均衡理論は、経済学を学ばなくとも、どこかで見たことがある人も多いかもしれない「需給曲線」てやつで簡単に表せます。
横軸が価格、縦軸が数量のグラフに需要の性向と、供給の性向をプロットすると、需要曲線が右肩下がり、供給曲線が右肩上がりになって、両者が交差する点が、需給が一致してかつ適切な資源配分がなされるというやつですね。
でもこれもぶっちゃけ、比較優位説と同じようなたとえ話の類、といっては怒られるだろうけど...
余談ですが、こんな図程度でお茶を濁しとけば?良かったのに、もう少し客観性をつけたい、数学的に正しさを深めたいなんて考えて、物理学者や数学者が精緻で難解な数学にまとめ上げて、常人には理解不能の不動の理論を築き上げてしまったのが現代の経済学というわけです。

実際のところ、自由競争もグローバリゼーションも果たして良い事か、うまく機能しているのか、五里霧中で、単にそう思い込んでいるだけかもしれないのです。
とはいっても、そんな中で経済社会では日々、経済状況を分析し、評価し、予測して活動が行われています。そして経済活動はすべてが「量」とその増減の「率」に還元され得るので、その数値や指標のデータは山ほどあります。
しかしそのすべてを人間が把握し理解し分析することは不可能ですから、必要と思われ、かつ信頼できそうなデータを選択して、それに過去の経験や勘による調整を加えて分析をまとめ上げる訳です。従って取り扱うデータが少なすぎたり、間違ったり、偏り、あるいは予断など、結論を誤らせる理由には事欠きません。

ということで「AI」、人工知能の登場です。最近の急速に進歩した「AI]は、これらのビッグデータ、過去にさかのぼって蓄積された膨大なデータの解析にはうってつけです。複雑な経済活動に、今まで考えられなかった関係性や法則性を見つけられるかも知れません。
また逆に明らかな相関関係があるように見えても、「AI]に学習させてみたら、この相関は擬似相関、つまり「関係のない2つの事柄に、あたかも因果関係があるように見える」だけであって、実は無関係、あるいは隠れた変数があって、この変数によって動いていたなんて 人間には思いもつかなかった発見があるやも知れません。
経済現象には「隔靴掻痒」(靴の上から足のかゆいところを掻く)といいたい説明が山ほどあるので、対象には事欠きません。

因みに株式の取引には、すでに「AI」が導入されているといわれます。しかし自動取引や超高速取引が、果たして「AI」に値するのかどうかは甚だ疑問です。とくに超高速取引なんて、コンピューターの計算の速さだけを生かした、いつ禁止されてもおかしくない、アブナイ使い方です。
株式取引をはじめとした金融市場は、コンピューターの活用が最もなされている分野ですが、「AI]については??でしょう。
また鉱工業生産指数のような経済指標の予測にも、「AI]が使われ出していますが、限定的な統計予測にとどまり、経済活動そのもの解析はこれからという状態です。

「AI]が本領を発揮して、複雑怪奇な?経済活動についての学習と解析が可能になり、グローバリゼーションや自由貿易が、実際にどういう結果をもたらしているかを解析することが出来たら、思わぬ結論を見出すかも知れないのです。もしかすると、アダムスミスの「見えなざる手」が、ついに見えたなんて...

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