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フォン・ノイマンのコンピューター 続き

現代のコンピューターのアーキテクチュアを作ったジョン・フォン・ノイマンは、「非フォン・ノイマン型コンピューター」という機械の概念設計をしています。え! ノイマンが非ノイマンをってどういうこと?
その前にアラン・チューリングという英国の天才数学者と、彼のチューリングマシンについてです。

第二次大戦時、ドイツは解読不可能といわれる暗号機を開発して通信に使用していました。名づけて「エニグマ暗号」です。その暗号を解読する政府の機密プロジェクトで、チューリングは解読の中心となって、エニグマ暗号が適用されたほとんどすべての通信を解読する解読器の開発に成功しました。この機械は対独戦において英国の優位をもたらし、ナチス敗北の要因の一つともいわれています。

チューリングは大戦の前、1936年に論文「計算可能数についての決定問題への応用」で、計算を数学的に議論するための単純化・理想化された仮想機械を発表しました。この仮想機械は、
1.格子状のセルに分割され、その上に情報を書き込み、読み取り出来る無限に長いテープ
2.セルに格納された情報を読み取り、書き込む可動テープヘッド
3.次に何を行うべきかをテープに指示する一セットのルール
で構成され、そのルールとヘッドから読みとった情報の組み合わせに応じて、次の動作を実行する。
1.ヘッドは特定のセルから動作を開始し、状態を開始にセットする
2.ヘッドは現在位置のセルから情報を読み取る
3.読み取った情報とルールによって3つの項目が指定される
 A.現在位置のテープに情報を書き込む
 B.ヘッドを右か左に一つ移動するか停止する
 C.ヘッドの新しい状態を設定する
4.この動作を、機械は内部状態が停止状態になるまで反復して実行し続ける。
チューリングは、この仮想機械「チューリングマシン」によって、数学上の問題である「決定問題」を解決したのです。

またも前置きが長くなりましたが、ここでジョン・フォン・ノイマンの登場です。
彼が設計した世界で最初のプログラム可能なコンピューターの基本概念すなわち「フォン・ノイマン型アーキテクチュア」は、チューリングマシンから着想を得たといわれています。フォン・ノイマンとチューリングは、プリンストン高等研究所で親交があったといわれています。
フォン・ノイマンは、それだけではなく、1940年代に「生命活動に模した、機械の自己複製」の論理を定式化しようとして、それに取り組む手段として、セル・オートマトン(cellular automaton)という仮想機械を考案しました。

セルはチューリングマシンのセルと同じで、オートマトンは自動人形、自動機械の意です。
数多くのセルから構成される格子列または面上で、各セルが近傍の状態によって、オンになったり、オフになったりするといった単純な規則によって動かすことを続けて、全体のセルの状態や結果を観察する機械です。セル更新ルールを見ただけでは予測不可能な極めて複雑な振る舞いを示します。

セル・オートマトンは、神経細胞の働きや細菌などの生物の繁殖をシミュレートしたり、また熱力学の法則に従う気体や液体の力学現象のシミュレーションに使われています。交通渋滞や雪の結晶の成長、ガスなどの物質の拡散現象などさまざまな現象のモデル化にも用いられます。素粒子の相互作用を理解する方法の研究にも使われるなど、徐々に応用の範囲が広がってきました。

セル・オートマトンは、ランダムアクセスメモリー(RAM)も、中央処理装置(CPU)も持たず、各セルが並列に演算処理を実現している、いわば 「並列コンピューター」 であるといった多くの点で、フォン・ノイマン型コンピューターと異なっているので、「非フォン・ノイマン型コンピューター」と呼ばれます。
ただし、このコンピューターは、概念上のコンピューターで(ハードウェアで実装して処理を行おうとする試みも行われていますが)、実際にはフォン・ノイマン型コンピューターで、ソフトウェア(プログラム上)で、シミュレートされ実行されます。

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