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カーボンとセルロースのナノファイバー

ナノファイバーといえばカーボンナノファイバーが知られていますが、セルロースナノファイバーという新素材が実用化されようとしています。ナノファイバ-のナノは10億分の1の単位で、ファイバーは繊維ですから、要するに極めて細い繊維を指します。つまり、カーボンナノファイバーは極細炭素繊維、セルロースナノファイバーは極細植物繊維ということです。略記するとどちらもCNFになって区別ができないので、(炭素)CNFと、(植物)CNFと略記して区別します。

で、(炭素)CNFは、有機繊維(有機物質を主成分とする繊維)を高温で炭化して作ります。
現在のところ、アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料にした繊維を高温で炭化して作ります。
炭素繊維の特徴は軽くて強いということにあります。鉄と比較すると比重で1/4、比強度で10倍、比弾性率が7倍あります。その他にも、耐摩耗性、耐熱性、熱伸縮性などに優れています。
短所としては、製造コストの高さと加工の難しさがあります。
炭素繊維が開発されてから50年余がたちますが、長らくその短所のため用途が限られ、広く使われることは無かったのですが、最近急に普及しようとしています。

軽くて強い炭素繊維の特性を最大限に生かす航空機への採用は広がっていて、最新の航空機では旅客機のボーイング787のように、胴体や翼など主要構造物が、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)で構成されています。
また最近、大幅にCFRPを用いた自動車が販売されています。燃費向上のため、軽量化が進む自動車では、CFRPがその切り札といえます。現在のところ、高価格車に限られていますが、今後は安価な普及車への採用が予想されます。そのための克服すべき課題は、
単位質量当たりの原料コストが高くなる、繊維の耐炎化工程と炭化工程の加熱で莫大な電力を消費し、製造コストを押し上げる、工程全体の中でも、特に耐炎化工程は設備が大掛かりで、コストが掛かり、また製造時間の大半を占めるため生産性への影響が大きい、といったことにあります。

次にセルロースナノファイバー、(植物)CNFです。
セルロースは多糖類の炭水化物で、植物細胞の細胞壁および植物繊維の主成分を成し、天然の植物質の1/3を占める、地球上で最も多く存在する炭水化物です。
鋼鉄の5分の1の軽さで、7〜8倍の強度を持っていて、(炭素)CNFと同様に大変強い素材です。

その作り方は、まず木材を細かく細断してパルプを作ります。パルプは主に製紙に用いるために分離した植物繊維で、数十本のセルロースが束になっています。パルプを3~4nm(ナノメートル)の太さまで細かくして(植物)CNFを作ります。木材をパルプにするのに、またパルプを(植物)CNFにするのに、機械処理と化学処理のどちらか、または両方が使われます。
(植物)CNFを樹脂と混合させると、CFRPのような複合材料を作ることが出来ます。

(植物)CNFは、液体と混ぜると均一に分散する、表面積が大きく、他の物質を吸着しやすいという特徴があり、化粧品、医薬品、塗料などへの用途が考えられます。既に紙おむつの消臭シートなどで実用化が始まっています。また(植物)CNFはCFRPのように、プラスチック樹脂と混合させた複合材料が、航空機や自動車の構造材として使うことが期待されています。
複合材料としての課題は、樹脂と混ぜる工程に技術的難しさがあるのと、現在のところ、1キログラムあたり10000円と高価格なことです。但し、それを1000円まで下げられる見込みがあり、そうなると3000円程度とされるCFRPに対して十分競争力を持つ価格です。


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地球環境直球勝負(GIC結晶)

 現在の機械工学における構造材料の耐久性に対する主な問題点は強度ではなく、摩擦にある。島根大学の客員教授である久保田邦親博士らが境界潤滑(機械工学における摩擦の中心的モード)の原理をついに解明。名称は炭素結晶の競合モデル/CCSCモデル「通称、ナノダイヤモンド理論」は開発合金Xの高面圧摺動特性を説明できるだけでなく、その他の境界潤滑現象にかかわる広い説明が可能な本質的理論で、更なる機械の高性能化に展望が開かれたとする識者もある。幅広い分野に応用でき今後48Vハイブリッドエンジンのコンパクト化(ピストンピンなど)の開発指針となってゆくことも期待されている。
by 地球環境直球勝負(GIC結晶) (2017-08-14 12:18) 

メタル軸受関係

 それって球状黒鉛鋳鉄に化成処理したのを相手材にしたらバツグンのすべり性を発揮しました。
by メタル軸受関係 (2017-08-31 22:03) 

自動車関係

 樹脂にも相性がいいって話ですよね合金Xは。
by 自動車関係 (2017-10-08 10:23) 

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