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科学の方法

今日の物理学の二大理論である相対性理論と量子論は、1930年頃までに、アインシュタインやニールス・ボーア、ハイゼンベルグなどによって樹立され、そして今日まで発展してきたものです。
それまでニュートン力学によって物理学は完成されたと思われていたのが、新しい革命的な物理学の時代に入ったのです。
しかもそれらの理論は、時間や空間は相対的なものだし、光は波でもあるし粒子でもあるというような、奇妙奇天烈のオンパレードでした。
当然科学者たちの間で、激しい論争が巻き起こりましたが、そこに哲学者たちが介入して、科学の方法論が花盛りとなりました。科学哲学者が科学の方法についての主導権を取ろうとしたのです。
しかし科学界では方法論自体には関心を示さず、考えられる様々な方法で、理論(仮説)の検証あるいは反証に邁進しました。科学者の論争は理論の妥当性についてであって、方法論などに割く時間など無かったのですね。

1962年、物理学者から転じた科学史家トーマス・クーンが著わした「科学革命の構造」は、この方法論論争に大きな反響と激しい論争を呼びましたが、これが契機となって、ほどなく論争は一応の終止符が打たれることになりました。
結局のところ、科学哲学者は、哲学理論の正当化のために、都合の良い科学理論を引き合いに出したに過ぎず、科学の活動自体には興味が無かったということのようです。

明らかになったのは、規定された科学の方法というものは無く、科学者が様々な手段を駆使して、理論の正しさ(検証)や間違い(反証)を証明する試みが不断に行われていて、またその妥当性を判断するのも科学者集団というのが、科学界の実際の姿ということです。
このように科学のあるべき姿ではなく、実際にある姿を明らかにしたトーマス・クーンによれば、科学の営みは「一定の時期における科学者集団の科学の思考の枠組み」すなわち「パラダイム」に従って行われているということになります。
ある理論の正しさを保証するものは、理論が正しいと「証明」することではなく、多数の科学者がパラダイムに従って「妥当である」と認めることにあるのです。したがって客観的、普遍的な真理に迫るのが科学である、という考えからは、大きく隔たっているといえるのです。

相対性理論や量子論が登場するまでは、科学者はニュートン力学のパラダイムにしたがって、科学の営みを続けていました。そして、これらの革命的な理論が科学者間の間で支配的な理論となったとき、パラダイムが劇的に転換、すなわち「パラダイムシフト」が起こります。
→パラダイムシフト http://kurotsugumi.blog.so-net.ne.jp/2011-11-19

これから導かれることは、今でこそ相対性理論や量子論は正しい(妥当な)理論であるものの、それが永遠に続くことは全く保証されていません。科学理論が常に検証と反証に曝されている限り、何時かはパラダイムシフトが起きて、新しい理論に置き換わる可能性があるのです。
そういう意味では、理論は常に「仮説」であるともいえるのです。


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