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太陽光発電の正しい?使い方

2012年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が施工されてから5年たちます。
その間に、再生可能エネルギー(以下再エネ発電)事業者が電力会社と交わした接続契約では、太陽光発電を中心に約7300万キロワット(KW)の発電量になるといいます。
高く設定された買取価格を前提にした再エネ発電事業者の発電コストは、諸外国と比べて2倍に高止まりしています。電力会社はこの高価格の再エネ発電を買い取り、電気料金に「賦課金」として上乗せして、そして消費者が負担します。

2017年度の「累積」賦課金は約2兆円を上回っており、このまま行くと2030年度には44兆円に上るという試算があります。また国の長期エネルギー需給見通しでは、2030年度における総発電量の2割以上を再エネ発電で賄うとして、それによる同年単年度のFIT買取補用額を約4兆円と見積もっていますが、実際はこれよりずっと多くなると試算されています。高い価格で買い取られた再エネ発電が想定より多いためです。今何とかしないと大変まずいことになる状況なのです。
しかし、再エネ発電の価格を大幅に下げれば、2割目標は達成できないし、少々の引き下げでは賦課金の負担が限界を超えます。

震災後の電力不足を早急に解決するため、再エネ発電への参入を促すべく、長期固定の買取価格を設置時ではなく、申し込み時の価格で、大盤振る舞いした結末は目に見えていました。
太陽光バブルともいうべき現象が生じ、発電設備を設置しないで高価格の買取価格を転売目的で保持する事業者もいれば、早々と安価な発電装置を大量に設置して高利益を得ている外資系事業者もあれば、徐々に下がる買取価格についていけず、撤退する事業者もありといった具合です。
しかしそれもうたかたの夢。今後はFIT価格の低下、あるいは廃止、そして送電分離によるコスト負担等々、逆風の時代です。

で、事業系の発電はさておいて、家庭の屋根に乗っている10KW未満の住宅用太陽光発電についてです。もともと営利狙いではなく、エコだからという理由で設置したと考えれば、今までの売電収入はちょっとしたご褒美と考え、将来は全量自家消費を考えるべきでしょう。もとより住宅用発電は余剰電力を売る仕組みなのですから。ただ、その最大の難点は太陽光発電の不安定性です。
光がないと発電できない仕組みは永遠に解決できません。

自家消費する際、この問題に対処する方法は、せいぜい日中の太陽光が出ているときに合わせて集中的に電気を使うといった、お天気次第の甚だ不便かつ非現実的な方法しかありませんでした。
しかし電気をためる装置、蓄電池が最近何とか使えるモノになってきました。これを使えば、一日平均して電気を使うことができます。
例えば4kwの発電パネルで5時間発電すると発電量20KWhで、大体一般家庭の一日の使用量になります。20KWを蓄電池に充電すれば、実用上十分使えるという訳です。
但し現在のところ、蓄電池は大変高価で、容量20KW程度の蓄電池は数百万円!もします。
したがって今はあまり現実的ではないのですが、将来的に安くなり、かつ売電価格が順調?に低下すれば、有力な選択肢となります。同時に本来のエコなエネルギー利用が出来ることになるのです。

電力会社の連携

エジソンとテスラによる電力の送電戦争を経て、交流送電が定着し、現在世界中の送電はほとんど交流になりましたが、同じ交流といっても国や地域で違いがあって、この違いを超えて送電を行おうとすると、厄介な問題が生じます。主な違いは周波数と位相と電圧です。
周波数は50Hzと60Hzの違い、位相は交流の周期運動において、ある時点で周期のどの位置にあるかの違い、そして電圧は50万Vとか25万Vなどの違いです。これらを同一にしないと、電力を別の電力(ネットワーク)に送ることはできません。
この中で一番問題なのは周波数の違いで、2つの周波数の電力を合わせようとすると、片方の周波数を変えて同じにする必要があります。これは片方の周波数の交流をいったん直流に変換してまた交流に変換するという大変面倒で大掛かりな設備が必要です。
日本では大まかにいって、東日本が50Hz、西日本が60Hzですから、両者間の電力のやり取りは、この困難さから実質的にはほとんど無い状態です。
ただし、同じ周波数であっても電力ネットワーク間の電力のやり取りは、あまり行われていません。
日本の電力は主に10の電力事業者が、地域を分けてそれぞれのエリア内の電力ネットワークによって電力を独占的に供給していて、事業者間の乗り入れは原則として無い状態が長く続いてきました。しかしそれも大きく変わりつつあります。

今月に関西電力は中部電力、北陸電力との送配電部門の連携を発表しました。
3社は富山県や愛知県などで他社と混在する送電線を整理し、送電を他社に委託するなどの効率化を検討するということです。例えば関西電力は富山県など供給エリア外に水力発電所を持っていて、その送電線は他社と重なっていますが、発電所から北陸電力など他社の送電線につないで関電エリアに電力を送るなどをします。
またエリアを越えた需給調整でも協力します。電力の送配電部門は、エリア内で変動する電力需要に合わせて数分単位で発電量を調整していますが、他社と調整用の電力を融通しあい、将来的には3社全体で最適化を目指すということです。

3社が連携するに至った背景には、電力は今まで地域独占企業でしたが、再生エネルギーやガス会社など新電力が伸びて、競争相手となっていること、またそれらが電力会社の送配電線に乗り入れていることなどがあります。
そして、政府が進めている電力システム改革も大きな要因です。大手電力は2020年までに発電部門と送配電部門を別会社にする、「発送電分離」を行わなければなりません。
送配電部門が担う電気の託送料金は現在、原価に利益を上乗せしているのが、今後は競争が持ち込まれる可能性があります。まだ詳細はわからないものの、既存電力会社にとっては逆風になる可能性が非常に高いのです。これらのことから、電力会社は今後も経営の合理化などによって競争力を高めていくことが、生き残りの大事な要件となっているのです。

パリ協定から離脱!

トランプ米大統領が1日に、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱すると発表し、大きなニュースとなりました。大統領は同協定を「米国に不利益をもたらし、他国の利益となる」と非難し、自らの「米国第一」政策を正当化したと報じられました。

パリ協定とは、パリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で締結された協定で、発効したのは、つい先日の2016年12月です。発効して半年後に離脱なんて...
パリ協定が発効→http://kurotsugumi.blog.so-net.ne.jp/2016-11-06 以下、抜粋です。

『パリ協定が注目されるのは、温室効果ガス排出量の世界一位の中国と、二位の米国がともに締結をしたことです。両国で排出量の4割を占めているので、どちらが欠けても発効が事実上不可能になります。とりわけ、米国が締結し、発効したことには大きな意味があります。
パリ協定は締結国に対し、発効から3年間は脱退を通告できず、通告後も1年間は脱退できないと定めています。従って米国の次期大統領に誰がなっても、その任期中の4年間は脱退できないということを意味します。米国は任期終了間際のオバマ大統領が、(置き土産として)議会の承認を得ずに、大統領権限による批准を行いました。
しかし喜んでばかりはいられないのです。温暖化ガス排出削減に消極的だった米中両国の参加に伴う大きな代償があります。各国の削減目標は義務ではなく、達成できなくとも罰則はありません。
米国の新政権が任期中の4年間、目標を放置したままにする危惧や、中国が口約束だけで、動かないことなどの危惧があります。それに両国ともに、地球温暖化に無関心乃至は否定的な人々が大勢で、両国の協定締結は、国民の同意を得ていないのです。笛吹けど踊らずか?』

ということで、協定は発効から半年、「束の間の夢」になってしまいました。
考えても見れば大統領のこれまでの言動から、温暖化対策に大変消極的なことは明らかですから、協定の無視ないし無力化は当然予想できました。
それでも離脱の影響の大きさから、協定の遵守まではいたらなくとも、何らかの軌道修正を期待していたのですが、はかない希望だったたわけです。
それにしてもまさかの禁じ手、離脱表明をやっちゃったわけですねえ...

AIの地味な?活用

最近のAIの話題は、囲碁で人間に勝ったとか、車の自動運転での覇権争いだとか、とかく人目を引く分野に集まりがちですが、あまり目立たない地味なところでも、AI活用の動きが広まっています。

JFEエンジニアリングは、同社が運用する「ごみ焼却発電施設」へのAIの導入を進めています。
AIに求めるものは焼却炉のベテラン運転員の持つノウハウです。焼却炉の運転員は、燃焼するゴミの炎の大きさや色、燃焼範囲などを見て正確な燃焼状態を把握し、最適な状態を維持し、また異常を早期に発見して回避するようなノウハウを経験で身に付けています。こうしたノウハウをAIに取り込み、AIによって最適な稼動が出来るようにするというものです。
導入するAIは「IBM ワトソン」で、2014年に設置された遠隔支援サービス拠点「リモートサービスセンター」に、導入されます。ワトソンの得意とする画像解析によって、様々な炎の画像や各種センサーからの情報などを知識として蓄積し、最適な焼却のノウハウを学習させます。
ワトソンは、リモートサービスセンターから、全国にある焼却炉を遠隔監視し、燃焼効率や稼働率の改善、発電量の増加やベテラン運転員の代替、新規の施設での運転員の養成などに役立てます。

廃棄物の選別処理にAIを活用することも始まっています。
埼玉県深谷市の廃棄物処理業シタラ興産では、建設廃棄物を、リサイクルに回すものと埋め立て処分するものとを選別しています。ベルトコンベアに流れる瓦礫やコンクリート片、木片、ガラスなどを人手によって選別していて、粉塵の中で、長時間立ったまま、選別作業を行う過酷な作業現場でした。

この選別作業にAIロボットを導入しました。AIロボットは通常の産業ロボットにAI機能を持たせたものです。コンベアの上に設置されたロボットが、流れてくる廃棄物をピックアップして、所定の場所に選別して行きます。AIは、カメラと赤外線センサーを使って廃棄物の形状を認識します。特定の廃棄物を数多くコンベアに流すことで、その廃棄物を認識する能力を高めます。
現在20種類の廃棄物を学習させ、1時間に3000個、1.2秒で1個を選別できるということです。

シタラ興産が導入したAIロボットはフィンランドのZENROBOTICS社の「ゼンロボティクス・リサイクラー」」です。その作業の動画を見ることが出来ます。
→ https://www.kankyo-business.jp/news/011102.php
動画を見ると、まるでSF映画に出てくる、宇宙の果ての星での鉱石採掘シーンのようです。
通常の産業ロボットが大変複雑な動きをするのに対して、掴んで運ぶだけの単純な作動に見えますが、通常のロボットはどんなに複雑に見えても、あらかじめ決められた手順に従って規則正しく動いているだけなのに対して、形状も大きさもまちまちの乱雑な物体を瞬時に判別して処理するというのは驚くべきことです。
今まではコンベアの横に20人近くも人を並べて作業をしていたのに比べて、現在はロボットの監視員を除いて人手はゼロになり、また1日あたりの処理量が300~400トンだったのが、2000トンと飛躍的に増加したとのことです。


電流戦争 エジソン VS テスラ

テレビで、「電流戦争!エジソン VS テスラ」というドキュメンタリー番組をやっていました。
エジソンはあの発明王のトーマス・エジソンのこと、一方のテスラは米国に渡ったセルビア系オーストリア人のニコラ・テスラで、今ではほとんど忘れられた人ですが、世界中の送電システムで使われる「交流送電」を米国で始めた科学者です。
直流と交流での送電の話、2007年と2009年に書いているので、抜粋します。

電気の送電→http://kurotsugumi.blog.so-net.ne.jp/2009-12-16
発明王といわれるエジソンが、商用電力の送電を始めた時、家庭での電気需要は、照明(白熱電灯)位だったことを考えると隔世の感です。
因みにエジソンの送電は、直流方式。エジソンは、少し遅れて交流送電を開始したウェスティングハウスに対して、交流の危険性を主張して(交流の)「電気椅子」を発明し、実際に死刑執行に使われたのは、良く知られています。しかし、この企みは失敗し、また直流送電も一敗地にまみれました。
効率に勝る交流送電の勝ちです。
《注》 テスラが交流発電をウェスティングハウスに売り込み、エジソンはエジソン・ゼネラル・エレクトリック社を設立し、両社で送電事業を競いました。

直流と交流→http://kurotsugumi.blog.so-net.ne.jp/2007-08-09
送電のロスを少なくするためには、「電圧を高く、電流を少なく」して電気を送ることが必要ですが、電気の供給側(発電所)と需要側(家庭、オフィスや工場)は高圧の必要はありません。
特に需要側は高電圧は危険で扱いづらいのです。したがって、送電は高圧にして、送電の入り口と出口で、電圧を下げれば(変圧)よいということになります。
そして変圧は「交流変圧器」、いわゆるトランスを使えば、比較的容易に、かつロスを少なく、高圧⇔低圧の変換ができます。一方の直流は今日でこそ、パワー半導体などによる変圧ができますが、当時は変圧が困難というか不可能でした。
この理由によって「交流・高電圧」の送電が行われてきました。
《注》 エジソンの送電電圧は110Vでした。需要側の電球は100Vだったそうですから、送電で10Vの電圧降下を見込んでいたというわけです。

ということで、交流送電の有利は明らかなのですが、なぜかエジソンは直流にこだわったのです。
電気椅子で実証しようとした、交流が直流より危険だという根拠はなく、これはエジソンが電気についての正規の教育を受けておらず、交流についての正しい知識が無かったためだといわれています。驚きの事実ですが、少なくともエジソンは電気理論や数学には余り強くなかったようです。

因みに、ウェスティングハウス社は、事業売却や買収などを経て、現在は存在していませんが、その流れを汲む原子力事業が東芝傘下になったものの、米連邦倒産法の適用を申請しています。
エジソン・ゼネラル・エレクトリック社は、その後エジソンを社長の座から追放し、社名からエジソンの名もはずし、現在は電機事業以外の幅広い事業を展開する大企業です。
また米国の電気自動車メーカーの、テスラモーター社は、テスラの名にちなんだ名称ということです。


安曇野(あずみの、あづみの)

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安曇野の田植え前の水を張った田に映る北アルプスです。(撮影: Vincent Davenport)
安曇野は、長野県松本盆地の北部に位置し、北アルプスの山々から流れる梓川や中房川、高瀬川などによってできた複合扇状地です。北アルプスに沿って南北に広がる田園風景が見事です。
地表の水の多くは伏流水となって地下に浸透してしまうため、堰(用水路)を作って灌漑し、農業を行っています。松本周辺では田はあまり見られず、畑でスイカなどが栽培されていますが、北上して安曇野あたりまで来ると稲作が盛んで、画像のような風景が広がります。
また清澄な伏流水を使った、わさび栽培やサーモン養殖なども盛んです。

因みに北アルプス槍ヶ岳を源流とする梓川は、松本市で奈良井川と合流し、犀(さい)川となります。
犀川は安曇野を流れ、高瀬川などが合流し、そして長野市で秩父山地の甲武信(こぶし)岳を源流とする千曲川と合流して名称は千曲川になります。
千曲川は新潟県に入り信濃川となり、日本海に注ぎます。千曲川と信濃川を合わせて日本最長の河川になります。信濃川より千曲川のほうが長いのですが、河川法上、信濃川(本流)とされます。

また千曲川が犀川と合流する地点から上流で比較すると、千曲川よりも犀川および上流の梓川のほうが長いのです。つまり梓川ー犀川ー千曲川ー信濃川が一番長いのですが...
まあ、どちらにしても最長であることに変わりがあるじゃあなし、千曲川も歴史ある川なので別にいいか...島崎藤村の「千曲川旅情の歌」は、詩情あふれる詩です。

人工知能(AI)はどこまで進んだ?

人工知能(Artificial Intelligence、AI)という言葉がよく使わています。
「AI」は人間を超えたとか、医者や弁護士といった知的職業が「AI」に奪われるとか喧しいようです。
この用語自体は、既に1950年代に生まれています。そして1968年に公開されたスタンリーキューブリックの「2001年宇宙の旅」では、宇宙船のコンピューター「HAL」が、感情や意識さえも持っているかのごとく描かれていて、さらには矛盾した任務の指令によって混乱し、乗組員の生命を奪うということまでやってのけて?います。
しかし現実は、コンピューターの性能の向上は目覚しかったにもかかわらず、それは計算能力という点において人間をはるかに超えたものの、その他の点においては、人と比べ得る知能を持つほどのものではなく、「AI」の歩みは遅々としたものでした。

転機が訪れたのは1996年に、IBMのコンピューター「Deep Blue」が、チェスのゲームで人間の世界チャンピオンを破ったあたりからです。そして2116年に、Googleの「AlphaGo」(アルファ碁)が、世界トップレベルの囲碁棋士を破るという大きな出来事がありました。
「Deep Blue」から「AlphaGo」まで20年かかった理由は、囲碁はチェスに比べて桁違いに指し手が多く、また直感や目標などが重要であるということなどと、「Deep Blue」が、膨大な知識のデータべ-スをもとに、ルールに従って最適解を出す、いわゆるエキスパートシステムという手法であるのに対して、「AlphaGo」は、人間の脳の仕組みに倣った「ニューラルネットワーク(神経回路網)」に基づいた「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる、ずっと進んだ手法を使っていることによります。
「AlphaGo」が勝利したことによって、「AI」は一気に注目を浴びることになり、人間の知能を超えたとまでいわれるようになりました。

人のニューロン(神経細胞)は、多数のニューロンが結合し合うネットワーク構造を形成して、その結合部分であるシナプスが、一定以上の強さの信号(入力刺激)を受けると、活動電位を発生させ、他のニューロンに情報を伝達します。ひとつの神経細胞に複数の細胞から入力したり、活動電位がおきる閾(しきい)値を変化させたりすることにより、情報の加工、処理が行われます。
実際はもう少し複雑な仕組みですが、いずれにしても個々のニューロンそれ自体は、比較的単純な作動をしていて、複数のニューロンが合わさることによって、ある状態を示しているという、いわば「パターン認識」を行っていると考えられるのです。
「AI」の「ニューラルネットワーク(神経回路網)」はこの仕組みに倣って、パターン認識によって画像や音声や、推論などを処理しています。

因みにこのことは、フォン・ノイマンのセル・オートマトンを思い起こします。
数多くのセルから構成される格子列または面上で、各セルが近傍の状態によって、オンになったり、オフになったりするといった単純な規則によって動かすことを続けて、全体のセルの状態や結果を観察する仮想機械です。セル・オートマトンは、「生命活動に模した、機械の自己複製」を理論化することを目的としましたが、神経細胞や免疫システムの働きや細菌などの生物の繁殖と大変良く似た構造であることに気付かされます。

ニューラルネットワークのもっとも単純な構造では、入力された情報は入力層のニューロン群によって処理され、別のニューロンに情報が伝達され、出力層のニューロン群が処理した結果を出力します。
複雑な処理を行うには、入力層と出力層の間に中間層を設けます。中間層にニューロン群を配置することで、情報処理がより深くなり、確度が上がったり、汎用性が広がったりします。

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中間層を一層からもっと増やして多層にすることで、さらに「深く」思考することが可能になります。
これが、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれるものです。
ディープラーニングでは、従来のように人間が「特徴量」を設計しなくても、コンピューター自身が膨大なデータを読み解き、そこに隠れている規則や相関関係などの特徴を発見します。

特徴量とは、問題の解決に必要な本質的な変数であったり、特定の概念を特徴づける変数です。
例えば画像であれば色、輝度、被写体の形状や大きさ、頂点の位置や配置など、「その画像に何が写っているか」を判定するために必要となるだろう要素が特徴量です。
画像などのデータを入力すると、情報が第1層からより深くへ伝達されるうちに、各層で学習が繰り返され、この過程で、画像や音声などそれぞれのデータの特徴量が自動で算出されるわけです。
例えば多くの犬の画像を入力すると、自身で画像を解析して犬の特徴量を算出します。
次に犬の画像を入力し判定させると、それが今までの画像とはだいぶ違っていても、コンピューターはそれを、犬と判断します。人間が犬と教えなくとも、自身で犬を判断できるようになるわけです。

ということで、ニューラルネットワークを多層化したディープラーニングを行う「AI」が出来たことによって、「AlphaGo」が囲碁で人間に勝ち、多くの人の耳目を集めました。
現在、実際に活用が広がっているのは「IBM Watson」というシステムです。
実は「Watson」は「AlphaGo」より早く開発されていて、2011年に米国のクイズ番組「ジョパディ」に参加して、人間のクイズ王に勝ちました。
質問は話し言葉で「Watson」に入力され、それを理解して、ビッグデータを検索して推察し、回答を出すという大変難しいことに挑み勝利したのです。
その後、IBMはWatsonの実用化の開発を進め、いまでは保険、小売、教育、製造、医療など、50か国、25以上の業種で導入されています。

Watsonは自然言語を理解し、ビッグデータとディープラーニングによって専門知識を習得し、質問や課題に対してビッグデータを解析して推論し、最適な回答を出すという、「AI」に必要な多くの要素を持っているもかかわらず、IBMではこれを「AI」とは呼んでいないとのことです。
学習、推論、認識などで、一部の知的作業においては大変優れるものの、人間のような汎用性はなく、膨大なビッグデータを持ってはいても、ごく限られた領域のデータで、人間のように広い分野ではなく、そして感情や意識などまで含めた脳全体を再現することなど、まだとても不可能です。
つまり人の脳に匹敵するような、「人工知能」といえるほどのものは、まだ先の話ということですね..
とはいっても、既に多くの分野で、人間に代わる仕事をこなしています。ご用心を!


明るい春の森

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山の春はちょっと遅くて今ごろからです。
コナラ、ミズナラ、クリ、アズキナシ、カエデなどの落葉広葉樹の森が、緑の若葉で輝く時です。
四季それぞれの良さがありますが、やっぱり春が一番。冬が終わり、あらゆる生命が一斉に活動を始める春。成長する姿は若々しく、瑞々しいのです。
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整列や類推などコンピュータに苦手な作業

データを一定の規則に従って並べることを、ソート(sort 、整列)といいます。
ソートを、例えば1から順に9まで(昇順に)並べた数字を、逆に9から順に1まで(降順に)並べ替えるような演算をコンピューターにやらせるとします。
まず、左端の1を隣の2とを比較して、2の右に並べ替え、次に1と隣の3とを比較して並べ替えというような作業を、1が右端に来るまで8回、(比較)演算します。次に左端となった2を同様に隣同士と比較して右端の1の左に並べるには7回の演算が必要です。
これを順に行っていくと合計で35回の演算で、9から1まで降順に並び、終了です。
ソートの方法はいくつもあって、おそらくこの方法が最も効率が悪い方法ですが、演算を一つ一つ順に行っていく直列処理のコンピューターでは、大なり小なりこのような手順になり、実際、ごく初期のパソコンではこの種のソートに結構時間がかかりました。
人間ならば一瞬で昇順を見て取り、ひっくり返して降順にしてしまうことができます。
コンピューターよりも人間のほうが計算が早い時代もあったのです。

次に「類推」(analogy)です。類推は、ある事物に基づく情報を他の事物に、それらの間の何らかの類似性に基づいて推し量り、適用することです。
類推は、コンピュータの苦手とする分野です。これがコンピューターサイエンスの先駆者、ダグラス・ホフスタッターによって取り上げられたのは、文字列間の類推です。

文字列 a b c が、 a b d に変わるとすると、i j k は何に変わるでしょうか?
多くの人は「右端の文字をアルファベットの直後の文字で置き換えよ」というルールが適用されたものとしてとらえ、i j l と答えます。
次に a b c → a b d となると、k j i → ?
「右端の文字を直後の文字で置き換える」というルールを適用すると、答えは k j j となりますが、それでは、k j i の持つ、「文字が右から左の順で逆向きに並んでいる」構造が無視されます。
そこで、 a b c の右端というコンセプトが、 k j j の左端というコンセプトに「横すべり」するような力が働いて、「左端の文字を直後の文字で置き換えよ」というルールが適用されているととらえ、 l j i という解答を得ます。
もちろん解答は一つだけではなく、人によってはk j j が解だというかもしれません。ただ一つの正解しかないのではなく、コンセプトの横すべりの滑りのよさ?や構造の強さなどの判断によって、どれだけの人がそのコンセプトを採るかという解であって、ここら辺もコンピューターに苦手なところです。

人はこの類推を、ごく日常のこととして行っています。例えば様々な筆跡によって書かれた文字Aを文字Aとして認識し、クラシック音楽愛好家は一度も聴いたことのないバッハの曲をバッハの曲と当てられるといった類です。類推は、生活に必要欠くべからずのものなのです。

現代のコンピューターは、性能の飛躍的向上と、コンピューターサイエンスの進展によって、苦手な作業を克服しようとしています。
直列処理であっても、並列処理をエミュレート(emulate、模倣する・真似をするという意味で、異なるハードウェアやソフトウェア環境を模倣・真似をさせる技術)することによって、例えばソートでは隣同士の数字の比較を同時に行います。
また類推アルゴリズムのプログラムによって、これをシミュレート(模擬する)するといったことです。
こういった技術の積み重ねによって、いわゆる人工知能への道が開かれつつあります。

フロン廃止への道のり

フロン類は炭素、水素、塩素、フッ素などからなる化合物の総称で、人工的に作られた物質です。
最初に作られたフロンは、炭素・フッ素・塩素のみからなる、クロロフルオロカーボン (CFC) で、冷蔵庫などの冷媒として開発されました。
フロンは他にも溶剤、発泡剤、消火剤、エアゾール噴霧剤など広い用途があります。
化学的、熱的に極めて安定であるため、開発当時は夢の化学物質として、もてはやされました。

しかし、1970年代に、オゾン層の破壊が問題になり、フロンはその原因物質とされました。
大気中に放出されたフロンが、分解されないまま成層圏に達し、そこで太陽からの紫外線によって分解されて出来た塩素原子が、オゾンを分解するという化学反応の過程です。
オゾン層保護のため、フロンは国際的に、その製造が禁止されるに至りました。
そこでオゾン層を破壊しないフロン、いわゆる代替フロンの開発が行われ、ハイドロクロロフルオロカーボン (HCFC) やハイドロフルオロカーボン (HFC)などが生まれました。
しかしHCFCは依然、オゾン層破壊効果があるため、先進国では2020年までに、世界でも2030年までに全廃することが決まっています。

ところが、次に問題となったのが、地球温暖化への影響です。
HFCはオゾン層破壊効果は少ないものの、温暖化係数が、二酸化炭素の数千倍もあるのです。
ついにHFCも廃止への道をたどることとなりました。先進国では2029年までに70%削減し、世界全体では2047年までに85%の削減が決まりました。
CFC→HCFC→HFC→ノンフロンへと長い道のりです。フロン類はそれだけ有用性が高く、また代替物質(主として二酸化炭素)への変換が、技術的にもコスト的にも難しいことなどが理由です。

フロン類が廃止の道をたどるといっても、既に生産されたものを使い続けることは可能です。
実際、HFCはおろか、HCFCを使った空調や冷凍冷蔵設備が、依然として多く使われています。
こういった設備機器は製品寿命が長いことも長期使用を助けました。さらにHCFCを2020年まで使用して、その後にHFCに転換する、先延ばしという選択肢がありました。

ところが2029年には、そのHFCも大きく削減されることになり、先延ばし戦略が危うくなりました。HCFC削減から10年足らずで、HFC削減を迎えてしまうからです。
HCFC→HFC転換を経ずに、HCFC→ノンフロンに更新という動きが強まると思われます。

また2015年に施工された「フロン排出抑制法」により、フロン類の設備機器の点検と報告が義務付けられ、漏洩している場合には修理しないと補充が出来ないなど、一段と規制が厳しくなりました。
この規制により、ノンフロン設備への転換が加速される傾向にあります。
因みにこの制度に基づいたフロン漏洩の集計結果が公表されていて、大量の漏洩の実態と、その7割が小売業、食品製造業、化学工業の3業種で占められていることが判明しています。

ということで、極めてゆっくりだったフロン類の削減が、ここにきてノンフロン設備機器への転換を図る傾向にあわせて進むのではと思われます。
HFC→ノンフロン転換及び、HCFC→ノンフロン転換の両方が起きるわけです。

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