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フォン・ノイマンのコンピューター 続き

現代のコンピューターのアーキテクチュアを作ったジョン・フォン・ノイマンは、「非フォン・ノイマン型コンピューター」という機械の概念設計をしています。え! ノイマンが非ノイマンをってどういうこと?
その前にアラン・チューリングという英国の天才数学者と、彼のチューリングマシンについてです。

第二次大戦時、ドイツは解読不可能といわれる暗号機を開発して通信に使用していました。名づけて「エニグマ暗号」です。その暗号を解読する政府の機密プロジェクトで、チューリングは解読の中心となって、エニグマ暗号が適用されたほとんどすべての通信を解読する解読器の開発に成功しました。この機械は対独戦において英国の優位をもたらし、ナチス敗北の要因の一つともいわれています。

チューリングは大戦の前、1936年に論文「計算可能数についての決定問題への応用」で、計算を数学的に議論するための単純化・理想化された仮想機械を発表しました。この仮想機械は、
1.格子状のセルに分割され、その上に情報を書き込み、読み取り出来る無限に長いテープ
2.セルに格納された情報を読み取り、書き込む可動テープヘッド
3.次に何を行うべきかをテープに指示する一セットのルール
で構成され、そのルールとヘッドから読みとった情報の組み合わせに応じて、次の動作を実行する。
1.ヘッドは特定のセルから動作を開始し、状態を開始にセットする
2.ヘッドは現在位置のセルから情報を読み取る
3.読み取った情報とルールによって3つの項目が指定される
 A.現在位置のテープに情報を書き込む
 B.ヘッドを右か左に一つ移動するか停止する
 C.ヘッドの新しい状態を設定する
4.この動作を、機械は内部状態が停止状態になるまで反復して実行し続ける。
チューリングは、この仮想機械「チューリングマシン」によって、数学上の問題である「決定問題」を解決したのです。

またも前置きが長くなりましたが、ここでジョン・フォン・ノイマンの登場です。
彼が設計した世界で最初のプログラム可能なコンピューターの基本概念すなわち「フォン・ノイマン型アーキテクチュア」は、チューリングマシンから着想を得たといわれています。フォン・ノイマンとチューリングは、プリンストン高等研究所で親交があったといわれています。
フォン・ノイマンは、それだけではなく、1940年代に「生命活動に模した、機械の自己複製」の論理を定式化しようとして、それに取り組む手段として、セル・オートマトン(cellular automaton)という仮想機械を考案しました。

セルはチューリングマシンのセルと同じで、オートマトンは自動人形、自動機械の意です。
数多くのセルから構成される格子列または面上で、各セルが近傍の状態によって、オンになったり、オフになったりするといった単純な規則によって動かすことを続けて、全体のセルの状態や結果を観察する機械です。セル更新ルールを見ただけでは予測不可能な極めて複雑な振る舞いを示します。

セル・オートマトンは、神経細胞の働きや細菌などの生物の繁殖をシミュレートしたり、また熱力学の法則に従う気体や液体の力学現象のシミュレーションに使われています。交通渋滞や雪の結晶の成長、ガスなどの物質の拡散現象などさまざまな現象のモデル化にも用いられます。素粒子の相互作用を理解する方法の研究にも使われるなど、徐々に応用の範囲が広がってきました。

セル・オートマトンは、ランダムアクセスメモリー(RAM)も、中央処理装置(CPU)も持たず、各セルが並列に演算処理を実現している、いわば 「並列コンピューター」 であるといった多くの点で、フォン・ノイマン型コンピューターと異なっているので、「非フォン・ノイマン型コンピューター」と呼ばれます。
ただし、このコンピューターは、概念上のコンピューターで(ハードウェアで実装して処理を行おうとする試みも行われていますが)、実際にはフォン・ノイマン型コンピューターで、ソフトウェア(プログラム上)で、シミュレートされ実行されます。

フォン・ノイマンのコンピューター

SF映画の名作「2001年宇宙の旅」の監督スタンリー・キュ-ブリックは、多くの話題となる映画を作りましたが、その中でも「博士の異常な愛情」という映画は、ブラックコメディの傑作です。
米ソの冷戦下、正気を失った米軍の司令官が核ミサイルの発射命令を出してしまい、その対応に米ソの指導者たちが右往左往して、最後には核戦争を絶対的に抑止することを意図して作られた「最終兵器」が点火してしまうという、シリアスな題材を、ブラックコメデイに仕立てた映画です。

映画の登場人物で中心的な存在が、大統領科学顧問の天才科学者、「ストレンジラヴ博士」です。
強大な核戦力を持って対峙するソ連に対する米国の核戦略は、起こりうるすべての事態に対処できるように準備し、たとえ核戦争になっても、採りうるオプションを用意し、さらには全面核戦争が起きたとしても、地下のシェルターで生き延びるように準備しなければならないとする、冷戦時代の戦略思考をカリカチュアライズしたキャラクターなのです。

ストレンジラヴ博士は、車椅子に乗り、片手が義手で、強いドイツ語なまりで話し、そして興奮すると義手がナチ式の敬礼を勝手にしてしまうという強烈なキャラクターの架空人物ですが、そのモデルについて、いろいろな人達が取り沙汰されてきました。ここではその内の二人の人物をあげます。
一人はヘンリー・キッシンジャーです。ニクソン大統領の補佐官、国務長官を務めた政治リアリストとして知られ、また限定的核戦争を提案しました。現在もなお隠然たる影響力を持つ人物です。少年時代にナチスドイツから米国に逃れてきた彼のドイツ語なまりは有名です。

そしてもう一人のモデル候補は「ジョン・フォン・ノイマン」です。
ハンガリー生まれの天才の中の天才といわれる人物、フォン・ノイマンは数学、物理学、コンピューターサイエンス、経済学、生物学などの分野で重要な貢献をしたことで知られています。
フォン・ノイマンは、23歳で数学・物理学・化学で博士号を取得し、その5年後には新たに創設されたプリンストン高等研究所(IAS)に、アルバート・アインシュタインなどとともに教授職につきました。
そこでの10年の間にゲーム理論の領域を開拓し、数理経済学の論文を発表し、そして世界で最初のプログラム可能なコンピューターの一つ、EDVACの概念的な枠組みを設計し、さらにマンハッタン計画に関わり、長崎型原爆の設計に不可欠な計算で重要な役割を果たしたといわれています。
そして戦後は政府の核ミサイルの専門的アドバイザーとしてソ連への先制核攻撃を主張しました。
また核開発の再に放射線に曝されたことでガンにかかり、晩年は車椅子に乗っていて、これもストレンジラヴ博士にふさわしい経歴の持ち主です。

前置きが長くなりましたが、フォン・ノイマンは、EDVACの概念的な枠組みを設計した後、さらにその改良後継機の設計・開発を行いました。「IASマシン」と呼ばれるそのコンピューターは、プログラムとデータをひとつのメモリに混在させることを意図したほぼ最初の設計で、1951年に稼動しています。因みにIASマシンは2300本の「真空管」で構成されています。
IASマシンの設計概念は公開され、世界中で同じ概念のコンピューターが開発されました。
現在、世界のコンピューターは、「フォン・ノイマン型」と呼ばれ、スーパーコンピューターからパソコン、そしてスマホ搭載のコンピューターまで「フォン・ノイマン型アーキテクチュア」が基本になっています。

フォン・ノイマン型アーキテクチュアは、プログラムの命令とデータの両方が配置されるランダムアクセスメモリー(RAM)と、メモリー上の命令とデータを取り出し、データをもとに命令を実行する中央処理装置(CPU)によって構成されています。
プログラムは通常、BASICやC言語、JAVAなどの高級言語と呼ばれるプログラム言語によって記述され、それが翻訳プログラム(コンパイラー)によって、コンピューターが処理することの出来る「0と1」のビット列の機械語に変換されます。そして命令を表すビット列は、単純な論理演算に翻訳され、CPUによって計算が逐次処理で実行されます。
どのような計算も、わずかな種類の論理演算を組み合わせることによって実行することが出来ます。現在のコンピューターは、1秒間に数億回の命令(計算)を実行することが出来ます。

ということで現代のコンピューターは、ほとんどすべてが、フォン・ノイマン型アーキテクチュアに依拠していますが、全く違うコンピューターもあります。それについては、―続き―で...


ネット・ゼロ・エネルギー住宅

日本の二酸化炭素排出量は、1990年から25年間の推移を見ると、ほぼ漸増傾向です。
産業部門や運輸部門は減っていますが、家庭とオフィスでの増加が足を引っ張っています。
冷暖房や種々の電子・電気機器の増加による電力消費の増加ということでしょうか。

そこで家庭のエネルギー消費を減らそうと、経産省が「ネット・ゼロ・エネルギー住宅(ZEH)」なるものを定義しました。頭にネットを付けるのは、実際にエネルギー消費がゼロなんて住宅はありえないから、どこかでエネルギーを自家調達して(これを創エネルギーというんです)、消費エネルギーと調達エネルギーのプラスマイナスのネット、正味でゼロにするということを明確に?するためです。
なおZEHを「ゼッチ」と発音するのだそうです。気恥ずかしくて、とてもゼッチなんていえませんけど。
ただ定義しただけでは、何も起こりませんから、補助金をいろいろ付けて世に広めようというようという目論見です。まあ、それも悪くはありませんが、補助金にはいろいろと制約が多いのも事実です。

ZEHを構成する要素は大きく三つあります。まずは建物の断熱性、次にエネルギーを消費する設備機器の省エネ化、そして最後は太陽光発電です。
建物の断熱性能を高めて夏の冷房、冬の暖房にかかるエネルギー消費を極力減らし、また給湯、照明その他の設備機器の省エネを進め、太陽光発電でそれらのエネルギーを賄おうということです。

ここで一番問題になるのが断熱です。以前から日本の住宅は断熱性能が低いということは指摘され続けてきました。「住まいは夏を旨とすべし」という兼好法師の言葉が現代でも生きているのです。
伝統的日本住宅を建てる限り、スカスカは不可避だともいえるでしょう。
最近ようやく壁の断熱が普及、一般化してきました。しかしどうしても足りないのは窓の断熱です。

熱の通り易さ(難さ)を表す数値に、「熱貫流率(U値)」というものがあります。
単位はW/㎡K(ワット/㎡ケルビン)で、対象材料の内側と外側の温度差が1℃の場合において、1㎡あたり貫入(通過)する熱量Wを表します。
これによると、厚さ100ミリの断熱材を使った壁の熱貫流率は、0.38W/㎡Kになります。
一方、窓のほうは、樹脂サッシ高断熱複層ガラスでは、熱貫流率1.7w/㎡k位が標準です。
つまり断熱窓は断熱壁の4倍以上の熱の伝わり方です。しかも壁は断熱材を増やすなど改善の余地がありますが、窓は三層の超断熱窓にしても1.0をきるのがやっと。しかも価格も高価なのです。

ZEHでは、建物全体での熱貫流率は、0.4~0.6以下(地域により異なる)を求めています。
つまり窓をちょっと大きくとったりすると、(特に寒冷地では)クリアできない数値です。
ということで建物全体の断熱性能を(あまりりコストを掛けずに)高めようとすれば、窓面積を減らすのが一番ということになります。窓を小さく、そして少なく、さらにははめ殺しにして開閉もなくすという、まさしく南極の基地みたいな極地型建物が断熱にとっては理想の形です。
太陽を燦々と浴び、心地よい風を通すという住宅よ、サヨウナラ...

といって済ますわけにはいきません。窓の断熱は断熱障子や、カーテン、ブラインドなどを併せて、断熱性能を壁に近づけ、また開閉窓は風の通り道に効果的に配置するなどして、光と風と熱を制御して、極地型住宅から逃れるのです。
→省エネ住宅と窓 http://kurotsugumi.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

合理的って何?-続

科学の世界で、それまでにない革新的な理論が誕生するときに、従来の科学の方法ではなく、全く新しい方法がとられることがあります。
万有引力の法則を発見したアイザック・ニュートンは、その運動方程式を記述するために、微分積分学を考え出しました。また量子論の立役者、ヴェルナー・ハイゼンブルグは、量子力学の運動方程式を行列式で記述する行列力学を考案しました。
彼らは理論を数学で記述するにあたり、新しい数学を自前で作ったということになります。(正確にはその元となる形や数学自体はあったのですが、その辺は省略)
物理学者は数学を使うのが当たり前とはいえ、数学と物理学両方において傑出した人は、そんなに多くはなく、ましてや新しい数学を作るというのは稀有なことのようです。

それと比べられても迷惑な?話かもしれませんが、社会学者マックス・ヴェーバーの理念型も、これに似たところがあります。時代の大きな問題を分析するにあたって、それまでのように単に記述するだけでなく、何らかの論理的方法が必要だと考えたヴェーバーは、「理念型」という類型概念を創案し、分析の重要な道具としたのです。
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」をはじめとする宗教社会学論文集、「経済と社会」論文集、「職業としての政治」など多くの著作において、その中心課題に即した理念型を適用することによって課題を際立たせ、鋭い分析を可能にしたのです。

しかし、理念型は大変すぐれた方法ではあるものの、今日これを方法論として一般化することは出来ないように思われます。抽象化概念である類型は、対象を正しく捉えようとするほど、対象から遠ざかるというトレードオフの関係が生じます。また理念型の二分法、例えば合理性と非合理性を対置する方法は、両者の中間領域の取り扱いの困難さが生じるなどの問題もまつわります。
ヴェーバーの理念型は人間と社会の行為と時代の文脈に、まさしく類型概念が沿うような場面においてこそ有効な方法といえるのでしょう。
彼が稀有な社会学者でありえたのは、その鋭い現実感覚・歴史感覚を基にした思考が、理念型という方法によって、核心的課題の分析に迫ることを可能にしたという理由によるのです。
資本主義の急速な発展とその負の側面の顕在化、マルクス主義の台頭など、ヴェーバーを取り巻く時代の文脈に、理念型という類型概念が、まさしく適合したということでしょう。

人間と社会の行為を論理的に分析するための方法概念に苦闘したヴェーバーをよそに、いとも軽々と?クリアしてしまったのが経済学です。
ご存知、「合理的経済人」という概念によって、経済活動を理論化しました。
この場合の合理的とは、「消費者は効用を、生産者は利益をそれぞれ最大化するように行動する」というようなもので、その合理的行為の結果、市場は均衡し、そして資源の最適な利用が出来るというのが経済学の言わんとするところです。
合理性を極めて単純な概念に限定して、かつ現実の人間が合理的であろうが非合理的だろうが、そんなことにはお構いなく、完全競争の市場など、いくつかの単純な前提に基づいた経済的行動による「数理モデル」から導かれた結論を、あたかも科学的理論であるかのように説くのです。

ヴェーバーの合理性の概念が、あくまでも現実社会を分析・記述する道具として使われ、現実を描写できなければ、道具としての価値を失うのに対して、経済学ではモデルの導く結果こそが正しく理想的な状態であって、それと乖離する現実経済に対しては、乖離する理由を示し、間違った見解に対しては、それを糺すという裁定者の役を担おうとするのです。

ニュートンの重力理論が重力の正体が何かということを明かさず、また量子力学が光や電子が運動する力の正体を明かさないのに対して、経済理論は、人間の経済合理的な行動が市場の均衡の力学の主体だと明かしてくれるのです。「神の見えざる手」を、”見える化”してしまったという訳です。
それにしても米国の新大統領のハチャメチャな経済プランに対して、数多のノーベル賞を受賞した米国の経済学者が、ほとんど無言な状況はいったい何故なのでしょうか?

メダルをスマホから作る

2020年東京五輪で授与される金銀銅メダルを、「都市鉱山」で作ろうというプロジェクトが始まります。都市鉱山とは、家庭などに眠るスマホやPCなどの小型家電に含まれている金属のことです。
東京五輪で必要なメダルは、オリンピック・パラリンピックあわせて5000個ほどだそうです。
これを全部スマホやPCから採る金属でまかなうのに必要な原材料を計算すると、金が10Kg、銀が1270Kg、銅が760Kgになります。え!、金これだけ?何で銀だけ突出しているの?

金メダルが純金製であれば、どの金属も同じような量が必要ですが、実は金メダルの中身は、ほとんど銀で出来ています。かっては純金の時代もあったそうですが、現在はほとんど銀なのですね。
オリンピック憲章で、メダルの金属は定められています。
「メダルは、少なくとも直径60ミリ、厚さ3ミリでなければならない。1位及び2位のメダルは銀製で、少なくとも純度1000分の925であるものでなければならない。また、1位のメダルは少なくとも6グラムの純金で金張り(又はメッキ)が施されていなければならない」と規定されているそうです。

ロンドン五輪の金メダルの重さは約410gで、金は6gですから、メダルの1.4%に過ぎません。
そして6%ほどが銅で、残りは銀で出来ています。なおメダルの重量はリオ五輪では500gになり、20%も重くなっていますが、金は6gですから、メッキが少し薄くなったわけです。
で、東京五輪のメダルはロンドンと同じとして、金は6g×1666個=10kgになるわけです。
銀は410g×93%×1666個×2=1270kg、同様に計算して、銅は760kgになります。
銀は金銀両メダルの大部分になるので、一番多く必要という訳です。

これだけの金属を都市鉱山で集めることが出来るのでしょうか?
小型家電リサイクルによる2015年度での回収実績は6万6千トンになります。
そしてそこから金は214kg、銀は2.5トン、銅は1466トンが再資源化されたということです。
メダルを作るのに足りる量かと思いきや、金と銅は十分な量ですが、銀は製造工程でのロスを考慮すると、必要量の半分しか達していないとのことです。
必要量の銀を集めるには、もっと小型家電の回収を増やすしかないようです。

全てのメダルをスマホやPCから作れるかどうかはともかくとして、実は小型家電リサイクルの2015年度の実績6万6千トンは、回収目標である年間14万トンの半分にも達していず、また目標値自体も低く設定されています。エアコンなど大型家電を回収する「特定家電リサイクル」のリサイクル率が概ね90%を超えているのに比べて、目標値も実績も大変低い理由はどこにあるのでしょうか?

①特定家電はメーカーや販売店にリサイクルを義務付けているのに対して、小型家電は自治体や販売店の自主的取り組みによるため、まだ広がっていない。
②特定家電は大きすぎて捨てられず、消費者は買い替えの配達時に引取りを依頼する一方、小型家電は小さいので、いつでもどこにでも捨てることが出来る。またスマホなど機密に関する懸念もあって、自宅の机の引き出しに溜まっているケースも多い。
③小型家電の回収は、量販店や公共施設に設置した回収ボックスで集める「ボックス回収」、地域にあるゴミステーションで回収する「ステーション回収」、そして不燃ゴミや資源ゴミ等から清掃工場で選別する「ピックアップ回収」があるが、その数も少なく、また消費者にリサイクルの仕組みがよく伝わっていないこと、どう処理すればよいのかわからないこと、そしてたとえ知っていいたとしても、わざわざ回収ボックスに持ち込むことが面倒なことなどです。

もっと回収ボックスを増やしたり、容易な回収方法を考案する一方で、リサイクルの意義や効果を知らしめることが必要でしょう。また何らかのインセンティブがあればとも思えます。
廃家電リサイクル→http://kurotsugumi.blog.so-net.ne.jp/2016-08-19

合理的って何?

米国の新大統領が一体何を仕出かすか、予測が不可能ということで、世界が振り回されているようです。合理的な実業家なんて楽観論もありましたが、それも吹っ飛んでしまうような活躍?ぶりです。
人間は他人の考えていることや行動を理解しようとするときに、どうしても合理的な解釈をしがちというか、そうしないと理解できない側面があります。他人の思考や行動が何らかの合理性に沿ったものであり、また自身もそれを合理的に解釈、判断するという両者の合理性が必要なのです。
軍事戦略や経済行動に、ゲーム理論がとり入れられて久しいですが、それもゲームのプレイヤーが合理的に行動することが前提となっています。

でもこの合理的ないし合理性ですが、その中身はいったい何なのでしょうか?
日常用語でよく使われながら、その意味は曖昧です。
1890年から1920年にかけて活躍したドイツの社会学者マックス・ヴェーバーは、社会学に大きな業績を残した人ですが、彼は人間の社会的行動を理解するに当たって、それらをただ記述するだけでなく、そこに参加している人々の行動を「解釈」しなければならないとして、あらかじめ定められた論理的な典型をあらわす「理念型」、一種の類型概念によって行動を分類する方法をとりました。
そしてヴェーバーは行為についての4種類の代表的な「理念型」を提示しました。

① 目的合理的行為
「ある目的を達成するのに合理的な行為」です。ある目的を達成するために、他者や外界の状況を予測し、その予測に基づいて目的を達成するために適切な手段を選択するような行為です。
目的合理的行為の特徴は、手段と目的との間の因果関係が論理的に明確なことにあります。
② 価値合理的行為
「ある行動が持つ固有の価値への、結果を度外視した意識的な信仰による行為」をいいます。
つまり、倫理的・美的・宗教的といった一定の価値を重視し、結果を顧慮することなく、自らが重視する価値に従って行う行為です。
③ 伝統的行為
「身についた習慣による行為」です。習慣化した多くの日常的行為がこれにあたります。
④ 感情的行為
「行為者の直接の感情や気分による行為」のことです。

ヴェーバーは、この4類型のうち、前二者は「合理的行為」であり、後二者は「非合理的行為」であるとしたのです。また4類型はそれぞれ対立する概念で、十字の線を引いて横軸に自己目的的と手段的を、縦軸に合理性と非合理性を対置し、4類型を4つに分けられた面に配置した図で表すことができます。この図は後のヴェーバー研究者らによって考案されたのですが、このような4分割図は、社会行動や現象を理解する上で大変便利な道具となっていて、今日多く使われています。

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特に政治学の分野では多用されて、今では陳腐となりましたが、横軸に保守と革新を、縦軸に自由と権威等を配置して政治行動が分析されました。
ある政治的行為が、4分割の面上のどこにプロットされるかでその度合いを表します。
すなわち、中立点である十字交点から遠いほど、原則的傾向が強いことを意味します。

さて米国の新大統領は、この4つの理念型のどこに位置するのでしょうか?
最近よく使う、「米国第一」というスローガンは、目的合理的とは言い難く、価値合理的に近いのではと思われます。ん?大統領の行動をようやく「合理的」の範疇に収めることができるのか? 
でも、一つ一つの行動について、4分割面にプロットしてみると、縦横に?駆け巡っていて、やっぱり、理解も予測も不能ということになるのかしらん...



オフィスで紙を再生

ずっと以前から、ペーパーレス=紙を使わない社会が来るなんていわれてましたが、その予測は外れのようです。紙の使用量が減らないのは、日本だけでは無く、世界の傾向でもあるようです。
もしかしたら、PCなど電子機器で様々な資料やら情報を集めるほど印刷が増える、つまり電子化がペーパー増加を後押ししていたりして...
オフィスに社内文書が増えるほど、その保管や廃棄、そして機密保護が重要になってきます。
その処理を外部に委託するのではなく、オフィス内で処理したいというニーズの高まりを受けて、使用済みの紙を処理して再生する機器が、いくつか発売されています。

印刷した文字を消して紙を再使用するという製品が、東芝テックという会社で販売されています。
レーザープリンターと、印刷した字を熱で消す消色装置がセットになっていて、プリンターで印刷された文字に、消色装置で熱を加えると、色素が消えて再使用が可能になります。
プリンターでトナーを紙に定着させるには通常は130℃以上の熱が必要ですが、これをもっと低い温度で定着できるように改良し、消色装置で100℃程度の熱を使用済み文書に加えると、色素が消えて再使用が可能になります。
ただ、色を消してもトナー成分は残るため、機密保護の点で難がありますが、社内で循環させる限りは問題なさそうです。また通常の文書と消える文書を区別する必要があります。
2013年から販売されていますが、印刷機と消色装置で150万円を切る価格で、今までに5000台以上販売したということです。

文字を消すのではなく、紙を再生する機器も販売されています。
デュプロという会社の製品、「紙再生装置」は次のような工程を経て紙が再生されます。
1.使用済みの紙を容器の中で水でかき混ぜてほぐす。2.溶解状態の繊維の下から気泡を送り、トナー粒子を気泡に吸着させて紙から分離させる。3.水に溶けた繊維に圧力をかけ、水分を半分に減らしてから、熱したドラムにまきつけて乾燥させ、そして紙に成型する。
こうして1時間にA4普通用紙250枚を再生することが出来るといいます。2011年に発表したこの装置、昨年に新型を発表して今年1000万円を切る価格で発売予定とのことです。

紙を作るには水が必須といわれますが、水を使わない製紙機が発表されました。
昨年、セイコーエプソンが発売した「ペーパーラボ」は、乾式の製紙機です。
1.使用済みの紙に(水を使わず)機械的な衝撃を与えて繊維を綿状にほぐす。
2.粉末状にした「結合素剤」と綿状の繊維を混合する。結合素材で繊維に強度と色を与える。
3.加熱、加圧そして整形し紙にする。
紙を繊維状にほぐす工程も、また繊維を紙に整形する工程にも、水を全く使わないで製紙することができる画期的な方法で、配管工事なども必要ありません。
1時間にA4普通用紙720枚を再生でき、またA4用紙以外にも、厚さのある名刺や、色のついた紙を再生できます。価格は2000万円代前半ということです。

これらの製品はいずれも、オフィスの中で使用済み文書を再生、再利用して循環させることで、外部で廃棄やリサイクル、再利用することに比べて、省資源、省エネルギーに貢献し、また機密保護にも有効であることを狙った製品といえるでしょう。

どうなる?核燃料サイクルー続き

核燃料サイクルが破綻するということは、原発維持を主張する人達にとっては由々しき問題です。
核燃料サイクルがあるからこそ、使用済み燃料の有効利用ができ、そしてその最終処分負担を少なくすることが出来るわけですから...
一方で、脱原発を主張する人達にとっても、快哉を叫ぶような出来事ではなく、難しい問題を投げかけられます。今ある原発をすべて廃止したとしても(実質的に殆ど止まっていますが)、47トンのプルトニウムと1万7千トンの使用済み燃料を含めた高レベル放射性物質が、消えてなくなるわけではありません。今までひたすら原発の廃止を訴えてきたのみで、これら核のゴミについては無意識にか故意にか関心を払っていなかったのが、否応なく向き合わねばならない筈だからです。
これをどうするかは、原発を維持するにせよ、廃止するにせよ、共通の大問題なのです。

世界に430基あまり、日本にはその一割ほどある原発の使用済み核燃料をどうするかということは、原発を保有している国共通の問題です。
しかし、日本のように再処理してプルトニウムを高速増殖炉で燃やすことを計画している国は、他にはフランス位で米国を始めほとんどの国は、いわゆる「ワンススルー方式(一回通過方式)」、つまり一回使用してそのまま廃棄する方式を採用しています。
実際、(核兵器保有国以外で)再処理工場を持つ国は、(公式には)日本だけです。
(核兵器保有国はプルトニウム抽出のため再処理工場が必要なのです。)
ワンススルー方式による廃棄では、高レベル放射性廃棄物はガラスによって固化し、30年から50年の中間貯蔵を経た後に、オーバーパックと呼ばれる金属などの容器に封入され、地下深部に埋設されます。今のところ、使用済み核燃料をはじめとする放射性廃棄物の処理は、この方法しかないと考えられています。したがって高速増殖炉計画を止めるということは、つまりはこのワンススルー方式に転換する以外に方法がなくなるわけです。

何だ、話は簡単じゃあないかという訳にはいきません。
ワンススルー方式を採用したといっても、そういうことにしようという案だけで、実績はゼロなのです。何故かというと、要するに埋設する場所が見つからないということにつきます。
地下深部に埋設するといっても、地殻の活動が活発でない安定した地層が必要ということ、そしてそのような場所があっても、お決まりの住民の反対です。ほぼ永遠の寿命の高レベルの放射性物質が、近くに埋められるのは、安全といわれても、イヤという訳です。

米国や英国、フランスをはじめとする多くの原発先進国が、何十年も前から候補地を探していても地層処分場の選定ができないでいるのは、主にこの理由によります。
ましてや日本では、そもそも安定した地層が果たしてあるのか、あったとしても100%の安全を求めるこの国では、選定などムリムリとならざるを得ません。
埋めるなら埋めてくれ、だけど近くはイヤだ、出来たら日本の外に埋めてくれ...
でも日本の外にもないのだよ、ここで何とかするしかないのだよと覚悟を決めて、長期戦で取り組むしかないと思われるのですが...

ワンススルーを何とか進めるとしても、苦難の道は続きます。
*使用済み燃料や放射性廃棄物は、長きに亘って保管せざるを得ないため、長期貯蔵施設が、それも極めて強固なものが必要になる。
*プルトニウムについては、日本にある分はプルサーマル炉で少しずつ減らし、英仏に保管の分は費用を払って貯蔵してもらう、あるいは買ってもらえるか?用途は核爆弾ですが...
*青森県などにある再処理工場を、プルトニウム生成ではなく、使用済み燃料の有害性と量を減らす用途への転用を図る。
*そしてあらゆる可能な最終処分方法と場所を検討し選定する。
どれ一つとっても、難易度えらく高そう!

どうなる?核燃料サイクル

昨年12月に、政府は日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉を決定しました。
1994年の稼働から20年余り、1兆円の巨費を投じ乍ら、ほとんど動かずに幕となりました。
何でこんなことになったのか?もんじゅは使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」を実現する要となる筈の原子炉で、止めるに止められない事情があったのです。

核燃料サイクルとは、簡単にいって次のようなものです。
①.まず軽水炉でウラン燃料を消費して発電する。②.そして再処理工場で使用済み核燃料から使用可能なウランと、副産物として生成されたプルトニウムを取り出す。③.そのプルトニウムを使って高速増殖炉を動かして発電する。この過程でさらにプルトニウムが量産される。④.その増えたプルトニウムを使って、プルサーマル式の軽水炉で消費して発電する。
普通の軽水炉だと、核燃料は一度しか使えませんが、高速増殖炉とプルサーマル炉を使えば、その何倍にも使えるという、まさしく夢の原子力利用だった訳です。

その要となる高速増殖炉が廃炉となると、核燃料サイクルが機能しなくなります。するとどうなる?
それは既に日本に大量にあるプルトニウムを処理できなくなるということを意味します。
日本は現在47トンのプルトニウムを所有していて、そのうち36トンは英国と米国にあり、11トンは日本にあります。プルトニウムは「原発の燃料」となる一方で、「原爆の材料」にもなります。
また使用しなければ、ほぼ永久に有害な「核のゴミ」ともなります。
既に保有しているプルトニウムで数千発の原爆を作れるということで海外から批判の声が上がっていて、日本は核不拡散の観点からも、速やかにプルトニウムを処理する必要に迫られています。
もんじゅを廃炉にするということは、このプルトニウム処理が不可能になるということを意味します。

さらに、使用済み燃料の貯蔵という、プルトニウムとは別の深刻な問題が発生します。
高速増殖炉を止めるということは、必然的に原発の使用済み核燃料の再処理も不要になります。
日本全国の原発の使用済み核燃料は、1万7千トンといわれますが、既に多くの使用済み燃料が、再処理工場予定地の青森県に貯蔵されています。
再処理工場を止めるとなると、それを全国の原発に返還することになりますが、各原発の貯蔵プールは70%と、ほぼ満杯状態になっていて、返還しようにもできないという状態です。したがって新たな搬出先が決まらないと、再処理工場計画を止めることも出来ないという状態なのです。

また再処理で回収したプルトニウムを、高速増殖炉ではなく、プルサーマル炉で燃料として使えばよいという話は、燃料コストが高いこと、また現在、日本にあるプルサーマル炉は少なく、燃やせる量に限界があることなどから、現実的ではないのです。

高速増殖炉計画を止めるに止められない事情が、今までもんじゅを廃炉に出来なかった理由です。
しかしもうこれ以上先送りに出来ないという訳で今回の決定に立ったわけですが、政府はもんじゅの廃炉を決定すると同時に、実用炉に近い「高速実証炉」の開発に着手する方針を決めました。
使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」事業は続ける方針です。そうしないとがんじがらめになった状況の解決の糸口が見えないということです。
しかしこれは実用化されたとしても、先の先の話。当面どうする?  ー続くー


グローバリズムからの離脱

グローバル化とは、経済や政治、技術、文化などが、世界で均質化、単一化する現象です。
その中でも特に、経済のグローバル化、つまり市場経済の競争が、自由貿易によって、世界にまたがるようになることに関心が寄せられるところです。
このグローバル化を展開する行為や思想などを称して、グローバリズムといいます。
グローバル化が、それと似た言葉であるインターナショナル(国際)化ではないのは、グローバル(地球全体の、世界的な)化が、「国境を越えて、世界的に均質化、単一化」する現象で、インターナショナル化が、国家間での関係が深まることとは、意味合いが異なるからです。

グローバル化が始まったのは、1990年代に入って、米国が工業経済からマネー経済へと変容して、マネーがマネーを求めて、世界を駆け巡ることになったことに端を発するといわれています。
米国主導によって資本(マネー)が、自由化されて、ヘッジファンドを中心とする短期資本が国境を越えて自由に跳梁することにより、90年代の米国は一時の繁栄を謳歌し、そしてまた多くの途上国は、その資本によって工業化を進めることになったわけです。

しかし一方、グローバルな市場は、国境を超えて世界に広がるがゆえに、その不安定性と不確実性を、グローバルに広げます。1997年の東アジア通貨危機、そして2008年のリーマンショックなど世界を揺るがす経済危機をもたらしたのも、グローバル経済のゆえといえます。
つまりグローバル化した市場は、制御不可能になる可能性が極めて高いのです。
何故か?それは市場は統治が必要不可欠だからです。統治なき市場の行く末は、アナーキー(無政府)市場なのです。一国の市場は、国家が統治することが出来ますが、グローバルな市場は、一国政府が統治することはできません。

国境をまたがるグローバル経済の統治をつかさどるには、何らかの国際機関が必要です。
それがなければ、グローバルなアナーキー経済になります。
不安定で不確実な市場ではまた、格差や不平等、不公正などが、より深く、より広く進みます。

問題はそのような国際機関が存在しないことです。
WTO(世界貿易機関)やIMF(国際通貨基金)などの役割は極めて限定的で、グローバル経済の不安定や不均衡などの問題の解決はできません。
またもしその役割を果たせる機関が設けられたとしたら、国家は権限の一部を委譲して委ねる必要があります。それを想像するのは難しいのですが、近い例としてはEU(欧州連合)が挙げられるかもしれません。EUは加盟15か国が、各国の権限の一部を共同体機関に委譲し、単一市場や人の自由移動などを進めてきました。

しかしそのEUも今、英国の離脱という最大の試練を迎えています。
英国はグローバル化による経済的利益などよりも、主権の制限や国民アイデンティティの動揺、移民流入、雇用不安、生活水準の停滞などによる不利益の方が大きいと考えた人が多数だったゆえに、離脱を決めたということになるでしょうか。
グローバル化による経済や政治、技術、文化などの均質化、単一化する流れが大きくなるにつれて、一方でそれに反発する力も強くなります。
資本や物は自由に国境を越えても、人や民族、そして文化、宗教はそう簡単には国境を越えられません。むしろ、かえって国家間や民族、宗教間の対立が強まる力が強く働きます。
英国のEU離脱は、まさしくそうした動きが現実のものになり、かくしてEUもグローバル市場の統治のモデルとは、なりえなかったようです。

翻って米国のグローバル化での役割ですが、1990年代のグローバル経済が、いくつかの大きな危機があったものの、持ちこたえられたのは、衰えたりとはいえ、経済、政治、軍事的に強い力を持っていた米国が、グローバル経済の統治に関して、一定の役を担ったからともいえます。
自ら主導したグローバル化による権益を守るためにも、それは必要だったという訳です。
しかし、その米国が今、この役割を放棄しようとしているのも皮肉なことです。
代わりに名乗りを上げるのが中国だというような話は、米国新政権の登場の悪夢に続くブラックジョークに違いありません。グローバル化における米国の行動は、時に身勝手であっても、一定の抑制があり、少なくとも民主主義の看板は、下ろしたことは無かったように思われますが...

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